Littlewitch無期限活動休止に寄せて

http://www.littlewitch.jp/home/index.html
考えさせられる。
大槍氏の社長としての想いはどうだったのかなあと。『大槍葦人 × 杉菜水姫 トークライブ2009』を聴いてみることにした。
(web配信されていたが現在は削除済み。以下、引用は第一部社長編からの筆者聞き取り。第二部の抄訳を見つけたのでそれだけ貼っておく→「大槍葦人×杉菜水姫トークライブ2009」不完全レポ_君の知らない境界

「とにかくお金が足りなくなるのが困りますね(笑)」

笑 え ま せ ん

「借金したり、社員に給料払えなくなったりすることはあるんですけど、そうなるくらいだったらもうストップしたほうがいい(抄)」

笑 え ま せ ん
LittlewitchはFFDという果てない理想を追い求めることから始まって、徐々に現実路線に転換していくわけだけど、それでもビジネスに適応しきれなかったと。
Littlewitchってけっこう開発規模が大きいと思うんだけど、大作クラスのエロゲなのに「シリーズもの」「シナリオ」というウリがないのってヤバいんじゃないかなあという感覚はあったのね。それでもなおなんとかなる大槍葦人マジパネェ、とか思っていたのだががが
白詰草話はもう何もかも足りなかった。Quartett!!は小品としてまとめることでFFD作品として一応の完成を見た。で、少女魔法学でFFDを放棄するものの、やっぱりゲームパート入れてノベルゲー化には抵抗する。でもやっぱりロンドリーフレットからはノベルゲー化する、と。
FFDがコストかかりすぎてヤバイ、というのは誰もが思っていたことだったので、少女魔法学以降の路線転換に文句つける奴はひとりもいなかったと記憶している。
ロンドリーフレット以降は執事という流行、別エディション、FD、エロ重視と売れそうな路線を踏むわけだが、FFDだのゲームパートだのコスト食い虫要素はないものの結局エラい高級感あふれるものづくりではあり、コスト的にどうなの、という話だったのだろうか。
あるクリエイターの世界を表現するためだけのブランド、Littlewitchがそれであることを否定する向きはないと思う。で、同様のブランドとしてはご存知TYPE-MOONがある。両者の製作スタンスの違いは、クォリティコントロールを本人がするか否か、であったように思う。
クォリティコントロールを本人がするとどうなるのか。ものすごくクォリティアップしてしまうと。誰か「それ売り上げに関係ないですから」と言う役割の人はいたのか。ユーザとしてはLittlewitch確かにスゲェ、確かにスゲェけどもうちょいシナリオ凝らない?というのか実感だったんでないか。
ロンドリーフレット以降、あんなにスンゲェ手間がかかっているのにどうやっても「地味な良作」以上のものにはならない、というのは、選択と集中が足りなかったんではないか。コンセプト面も含めて。金かかってるわりには絶対的なウリがない。
ファンとしては地味な良作で全く困ることはないんだけど。
ていうかもうぶっちゃけシナリオだよね。原因。Littlewitch作品のシナリオが「つまらない」とは、全部やってるわけではない以上言えないが、しかし「押しが弱い」のは間違いない。イノグレにしてもシナリオの押しはめっちゃ強い。それで誤魔化せることは山ほどありそうに思う。
顔のない月』も原画家が全部コントロールしてた作品といえると思うが、これもシナリオの押しはめちゃくちゃ強い。クォリティ云々ではなく押しが強い。そして何度もリメイクされてずっと売れ続けてる。シナリオが凹むのはやっぱりマズいんじゃないのかなあ。
俺『Quartett!!』大好きでLittlewitch最高傑作だと思ってるんだけど、これは音楽に大槍さんに拮抗できる才気と押し出しがあったから、という面があると思うのね。細井聡司弦楽四重奏がもう殺す気満々て感じで。それで壁を破れてる気がする。
ユーザーフレンドリーって錦の御旗だけど、ユーザは案外マゾなんで「くやしいっ・・・・でもお金払っちゃう!」のも嫌いじゃなかったりする。
ユーザの優先順位としては 大きな不満がない>大きな満足がある>小さな不満がない>小さな満足がある かなあ。
曲芸商法に文句があるなら買わなければいいのよ。買おうにもモノが出ないよりよっぽどマシ。
※その後、少女騎士団と大槍葦人のBLOG2009/12/22分にて大槍氏よりコメント

休止の理由に関していろいろ言われておりますが、当たっているものも、外れているものもいろいろですね。トリガーとなったのは資金的問題ですが、根本的な問題で言うとやはり、「会社の規模が市場、売上に大して大きすぎる」というのがあります。 このまま無理に突っ走ることも出来なくも無いのですが、全滅必至の突撃で再起不能になるよりは一旦撤退して力を蓄え、勝てる形を再構築するべきだと考えた結果です。

ですよねー。
最後にシュガフリの宣伝をしておく。

シュガーコートフリークス

シュガーコートフリークス