なろう評論会第1回『異世界帰りのおっさんは、父性スキルでファザコン娘達をトロトロに』

前置きの前置き~なろう評論会について

対談本文中でも言及していますが、これは「小説家になろう」の作品について、管を巻いたり性癖を告白したり横断的に論じていこうという企画です。

現在はたまたま釣れたのでsingingrootさんにお相手いただいていますが、今後も続けていきますし(すでにsingingrootさんとの対談ログは溜まっている)、参加したいという方がいらっしゃればDiscordに招待しますのでお声がけください(・ω・)

前置き~「小説家になろう!」を取り巻く評論・言論について

もりやん

現状なろうでは書いていませんが、いちおう書き手のもりやん(@catfist)です。
この企画では、なろう作品について色々深くお話をさせていただきたいと思い、旧知のsingingrootさんをお招きしております。よろしくお願いします。

singingroot

読み専のsingingroot(@singingroot)です。どうぞよろしくお願いします。本作についてはぜひ色々と聞いてみたいので……。

もりやん

とりあえず最初に、どういう企画なのかといったあたりのお話からさせていただきたいんですけども。

singingroot

うい。

もりやん

まず僕が、なろういっぱい読んでるのに、立ち入った話ができてなくてツマランというのがあった!
インプットしたらアウトプットしないと気持ち悪いですからね。そういう意味で色んな作品について語っていきたいところではあります。
あと、これはもはやなろう含むWeb小説の話だけじゃなくて、現在の多くのコンテンツに共通して言えることなのかもと思ってるんですが、評論がされてない。
やっぱり昔言われたWebのタコツボ化なんでしょうかね、覇権アニメとミリオンヒットゲームくらいしか議論のメディアになってないよねというのがあって。
まあ、なろうの作家は書籍化できるかどうかっていう非常に厳しい評価にさらされてはいるんです。
でも結果論って面白くないじゃないですか。「じゃあ次は売れるような話書こう」ってだけじゃ潤いが無い。

singingroot

今のもりやんさんの頭の中だと、なろうの特定の作品の話の比重が大きいんですかね、それともそこから最終的に……なんていうのかな、「流れ」とか「作品群」とかの話になっていく?

もりやん

それは両方かな?
読んで面白かった作品の話もしたいし、それを色んなメタな流れの中に位置づけるような話もできたらいいし。
そういう話が作家に届いたらいいよねということ自体が、なろうを取り巻く状況への議論として提起したいことでもあるかな。

singingroot

了解です。まあ二分できるようなもんじゃないのはそうなんですが、どっちが特にやりたいんだってのはなくて、どっちもしてきたいと。
そういうやり方はこっちも歓迎です。

もりやん

僕も感想欄けっこう書いてるんですけど、「他作品の話はNG」じゃないですか。そうなると感想であって評論じゃない。感想欄なんだから当たり前ではありますけど。
「こういう作品があるべきじゃないか」「もっとこうしたら面白くなるんじゃないか」そんな話が、もっと広くされたらいいのになと。そういう気持ちの小さな小さな一歩でもありますね。

singingroot

感想欄は荒れやすかったり作者に直接届くものだったりで色々センシティブですからね。
ところで、評論ってのが何を指してるのかってのは結構難しいとこかなとも思ったんですが。

もりやん

まあ、言っちゃえば「対象とする作品そのものとは異なる価値を持つもの」ですかね。
作者への応援、作品への感想、作品の紹介、これらはすべて評論ではない。
まあ応援も感想も紹介もするけどな!

singingroot

うん、その定義は分かります。
あと、Web小説に対する語りの場ってのは今どういうものがあるのかってのは私もよく知らないので、言われてみると気になりますね

もりやん

結局現在のなろう界隈って、読者から作者への感想と作家同士のクネクネくらいしか言論がなくって。
面白いけどランキングに載ってない作品を発掘しようっていう、スコッパースレってのがいちおうあるにはありますけど。1

singingroot

スコッパースレ、それくらいしか思いつかないんですよね。
でもなんかアレも評論っていう形かっていうと、それ未満という印象ではある。

もりやん

スコッパーの価値は大いに認めるし利用もしてるけど、言論としては当然不十分であると思うわけです。あれ見て、作家が役立てられるかっていうとうーんですしね。
最終的には、作家が読んで面白いものを目指していきたいという気持ちはありますね。

singingroot

なるほど、作家にとってっていう視点なんですね。読み専なのでその視点はなかった。

もりやん

読者にとっての言論の価値をいえば、やはりその最たるものは作品の紹介だと思うんですけど。
まずランキングというシステムが大前提としてあるわけですね。んで、ランキング載ってないけど面白い作品てのを受容するには、まず「系統樹」というか、作品の持つ文脈、コンテクストの概念が必要になってくると思っていて。

singingroot

コンテクストっていうのはもう本当にそうだと思います。

もりやん

読者向けという意味でも、単なる上位ランカー紹介に留まらないのであれば、それはやっぱり作家が読んで面白いものだと思うわけです。

singingroot

タグってのがそこに対して機能してくれていればまだしもなんですが、今はそうではない。

もりやん

タグ機能してないですよねーw

singingroot

将来タグ、あるいはそれに類するものがうまいこと機能してくれれば、みたいな未来を思い描かないわけではないんですが。
それこそ作品の位置づけられている文脈やら何やらまで、ある程度把握した上でサジェストしてくれたりとか。

もりやん

「この小説をブックマークしている人はこんな小説も読んでいます!」っていうのが、それに近いものとしてはありますけど、あれも単にブクマ多い作品が出てきがちですしね。
作品を構成する要素で抽出する役には当然立つんだけど、でもその「流通している要素」に対してどうアプローチするかが作品の価値であり個性であり妙味じゃない?
というあたりで例のアレの話いってみます?w

singingroot

うい。では行きましょうか……。

もりやん

やべぇよやべぇよ……。

課題作『異世界帰りのおっさんは、父性スキルでファザコン娘達をトロトロに』について

もりやん

えーとまあ、声かける時にうっかり勧めちゃったので仕方なくという感じですが、『異世界帰りのおっさんは、父性スキルでファザコン娘達をトロトロに』の話をしまーす!

singingroot

パチパチパチパチ

もりやん

今なろうで一番デンジャラスな作品といって過言ではない!

singingroot

いやそれは各方面からツッコミが来そうですが。
ツッコミが来たら来たでヤバい作品を知れる機会なのでツッコミ上等か。

もりやん

せやねw

singingroot

そもそもこの作品が「流通している要素に対してどうアプローチ」してるのかが未だに分かってない、分からない。

もりやん

それじゃあ、まずそのへんの、基本的な設定のおさらいからしてみますか。
これは召喚勇者モノの一種というか、召喚勇者ミームに乗っかった作品ではあります。
異世界で勇者業やってたら、勇者業が超ブラックで、ヒドイめに遭いながら魔王倒して帰ってきたら、超人的なステータスの代わりに、中卒無職30代になっていた……というコワイ導入。

singingroot

「元」転生勇者ってのは、もう数年前から一つの型になってる感はありますね。

もりやん

ただ、日本に帰ってくる作例はかなり少ないですよね?
「なろう風」書き下ろしラノベにいかにもありそうだけど、あまり詳しくない……。

singingroot

まあ現代日本を舞台にする系自体が少ないですからね……。
元勇者ってタイトルが直接に入ってるのだと、『元勇者、印税生活はじめました。』ってのがぱっと出てきますかね、ここ一年くらいの作品でしたっけ?

もりやん

これは新人賞あがりのようですね。昨年6月か。
実は、異世界召喚勇者×現代異能っていう作例として異世界帰りの勇者が現代最強!っていうのがありまして。
これ読んだときも思ったんですが、いわゆる異世界転生チート設定の能力であっても、現代日本で使ったらそれはもう現代異能なんですよw

singingroot

まあ別に能力の由来が魔法か武術か神パワーかなんてどうでもいい、というのがチート概念ですしね。
その力をどこで振るうかが重要、ということなのか。
あとは、無双できる力の有用な振るいどころがあるかってところでしょうか?

もりやん

いちおうそこは、学園異能的な「悪」をチートでやっつけるって話にはなってますね。
んで、空の境界の解説で、笠井潔が「伝奇」について、いわゆる土蜘蛛、朝廷にまつろわざる者のコミュニティに紐づくキャラクターが云々とかの話をしていたんですが。
そういう意味では「異世界帰り」という「マレビト」であるとかいえなくもないし、極論異世界でチャンネーと出会えることありきの概念なんですよチートって
というか、『父性スキル』でも異世界でチャンネーと出会ってはいるんだ。いるんだけど、その意味がすでに変質しているんだよw

異世界召喚テンプレからの変質

singingroot

変質についてkwsk

もりやん

まあそこはうたねさん2お読みになったからおわかりかと思いますけど。
異世界でエルザという奴隷美少女と出会って恋に落ちて結婚して……悲劇的な結末を迎えるわけじゃないですか。

singingroot

いや、そう言われたら、うん、とは言えるんだけど。
ただ、それを"変質"と捉えるかどうかは結構大事な問題かなと思ってて。

もりやん

いやまあそんなややこい話じゃないんだけど、そういう悲劇があったことによって、チートは幸せをもたらす存在ではなくただの呪いになってしまった
もはや身体能力からして人間離れしてしまって、日常生活を送る上では「身体障害」に近いじゃないですか。
付け加えるなら、異世界召喚テンプレでいうとこの「サブヒロイン」との関係もそうです。おいおい明らかになっていくことですが、向こうでのパーティってハーレムだったんですよね。
だったんだけど、もはやかつての「ハーレム」のメンバーは、異世界から現代日本および主人公の人生を脅かす呪詛でしかない。
そうなるともう、「異世界でチャンネーと出会える」というチートの意義自体が失われてしまっているじゃないかと、まあそういう話ですね。

singingroot

まずこれは反論というより、どういうふうにこの作品を捉えるかについての整理だと思って聞いていただきたいんですが。
まず一般的な観念として異世界勇者召喚が割とイケイケハッピーなものであるっていうのはあります。もちろんそうじゃない作品も大量にありますが、そこはさておき。

もりやん

少なくとも「そういうイメージに乗っかってる」作品が大半ですよね。

singingroot

で、中元も最初の一日くらいはそういうイメージでいた。
ただ、一瞬でそれが崩れてるわけですよね、マジで。

もりやん

ほんっと最初の一瞬だけなw
分かる人には『永遠のアセリア3である程度通じると思いますが。

singingroot

ハッピー→ダークの転換は非常に早い段階で起きてて、彼の中で、異世界での生活、奴隷少女との生活の価値ってのが、どこかで"変質"し転換を迎えたのかっていうのが、ちょっと明確でないかなとも思うんですね。
いや折々に触れて「フィリアはこんな女じゃなかった……」とか言いますけども。

もりやん

その点では、エルザが亡くなるまでは彼にとって召喚されたことはギリギリ肯定できることで、パーティメンバーとの関係も(表面上)破綻していなかった、ということは重要かと思うんですね。
少なくとも「中元にとってのフィリア像」が壊れるのは戻ってきて再会してからじゃないですか。

singingroot

いや、分かるんです。分かるんですが、そこを単純にエルザとの死別前と後で綺麗に転換があったと、そういう風な図式で捉えることに、少し抵抗があって。

もりやん

まあそれはそうです。そこは、事実上のポイント・オブ・ノーリターンと、中元自身の認識、そして我々読者の認識いずれもズレがあるからで。
例のアンジェのひでぇ例え話で語られることですが、フィリアは実は中元がエルザとくっついた時点で壊れていたわけですよね。4

singingroot

そう、そこなんですよね。まずは、「転換はあった」「ただ、それは綺麗に一点で反転したものではない」ということが確認したかった。

もりやん

まあそうですね。僕はやっぱりエルザとの死別は「矛盾が噴出した瞬間」という意味で決定的に重要かなとは思いますけども。
なんだかんだこれは、エルザが生きてさえいれば、異世界召喚モノの典型に収まらないでもない話なわけでね。

singingroot

それはそうですね。

もりやん

でも、そうはならなかった。ならなかったんだよ、ロック。だから――――この話はここでお終いなんだ。
もとい、だから――――この話はここから始まった。つまり、この話は云うたら、エルザのために背負った負債を清算し、エルザと共に失ったものを取り戻す話である……と、まとめられると思うんですね。

singingroot

すみません、「共に」はどっちにかかってる?
「失った」ですか? それとも「取り戻す」?

もりやん

「失った」です。

singingroot

そっちですか……なるほど。

もりやん

んで、例えばパーティメンバーとの関係が負債に成り、エルザと積み重ねてきたものが喪失に成った、まあ過去にそういう出来事があったということはいえるだろうと。
変質という表現は、ひとしきり異世界召喚らしいことがあった上で、それが負に転じた……というより、もっとおぞましいものに変わった、というような印象ですね。
一番おぞましいのは、なぜか現代日本JKだったりもするんですが!

singingroot

まあ明らかに一番ヤベー奴扱いされてますよね……。
ともあれ、そういう捉え方なんですね。一瞬、「エルザと共に取り戻す」という意味かと思ったのですが、そういう意味ではない、と。

もりやん

ああ、それはそうではないですよね。エルザが死んでいることだけは動かないわけですから。

singingroot

うーん、そこにすごく引っかかってるんですよね……。
いや、一章ラストで「え、それバラすの!?」ってビビったんですよ。あの「声」の正体がエルザだっていうことを、中元に対して
普通それ、最後の最後、エンディングでバラすやつじゃないの?って

もりやん

あーアレね!

singingroot

あまつさえ会話してんじゃん!

もりやん

それねー! 解釈迷うよねー!

singingroot

中元が失ったものを取り戻す話だとして、それは何が取り戻させたのか?ということも重要だと思いますが。
もし中元が過去を断ち切り(もしくは向き合い?)再生してく話なら、「声」とどう向き合うべきかっていうのは絶対に入ってくる話だと思いませんか?

もりやん

ええとね、やっぱりね、中元の中で死んでることにはなってるとは言えると思うんですよね。

singingroot

中元の内心については、地の文ではほとんど描写されてないですけども。ただまあ、中元の中ではちゃんと諦めがついていて、あの声はどこまで行ってもエルザそのものではないことは認識できている、ということでいいんですかねー。

もりやん

なんというか、エルザの成れの果てではあってもエルザではないというか。そういう「認識」ですよね。
でもそうなら、エルザじゃないけどエルザみたいなものがなんか概念的には密着状態で話しかけてくんの、ヤですよね。

singingroot

話しかけてくるどころか子作り推奨してくるんですがそれは

もりやん

まるで意味がわからないw
そこで、死んだ彼女がバッチリ死んでるけど神になってるからイチャつけるっていう作例として、おっさん冒険者ケインの善行があります。
これ、ド天然スーパー朴念仁ウルトラ善人のおっさんに、性能チート性格キチガイ行動バグってるお姫様が惚れ込んで云々っていうコメディなんですけど。
おっさんの気持ちが一途に女神(になった彼女)に向かってるんでキチガイ姫に全く脈がない、というか普通に萌えないという……。
誰もアナ姫も相手してやれよという感想書かないw

singingroot

それはそれでストレートな作劇だとは思うんですけど、本作の実装はそうなってないというか、そういう方向に向かってるとは到底思えない状態ですよね。
いやなかなか読んでてこの話がどこに行くのか大変悩ましくて、そこが面白くもあったんですが。

もりやん

そうなんですよね。アナウンスさん5になったエルザとの関係性については非常に難しい。
やっぱり、エルザのことは割り切ってJKを孕ませろという話ではあるわけですよw
まーだからそのー、エルザに操を立てつつ命をかけて戦ってきた、そのために失ってきたモテ期と青春を取り戻している……とか、いえなくもないことも……。

singingroot

それが丸く収まるよね……いや丸いか?

もりやん

だいたい何人孕ませたらいいんだよww

singingroot

ヒロインが現状で6人居る上に、一年ごとに孕ませろとか言ってくるので……。
※分裂JKは2人とカウント

もりやん

アンジェ、リオ、アヤコAB、フィリア、エリン?

singingroot

とゆー認識でしたが。さすがにカナはさすがに?

もりやん

カナは孕ませろって言ってこないからw
現代人が4人(戸籍上は3人)で全員が変態っていう……おお、もう……。

父性スキル(搾乳ではない)

singingroot

変態について言うと、ヒロインズ全員ナチュラルボーン変態でいいんですよね? 父性スキルって別に交渉スキル全振りみたいなアレじゃないんですよね?6

もりやん

交渉スキル(搾乳)みたいのじゃないからw

singingroot

いや最初にタイトルを見たとき普通にアレをイメージしたから……

もりやん

タイトルの父性スキルはリアル技能のことだから! MCとかじゃないから!
交渉スキル(搾乳)もちゃんと論じておきたいところではありますが。チートってあそこまで自由でいいんだなって!!

singingroot

アレは……私は序盤で挫折したので……。
それはさておき、結構大事なとこかなと思うんですよね、タイトルの「父性スキル」が何を指しているのか、というのは。

もりやん

ですね。まあ、「父性」というチートスキルは実際にあるわけですが。

singingroot

ただそれはあくまで戦闘スキルでしか無い、と。

もりやん

魅了とか催眠とか、その手の効果ではないw

singingroot

というかむしろJKを傷つけてパワーアップするみたいな、罪の象徴みたいなものですらある。

もりやん

あるいは、現代日本での新たな人生――または戦いのために与えられたもの、とも言えます。

singingroot

ふむむ。

もりやん

ここでね。例の変質とか転換の話にもつながってくるんですけど。
結局、異世界での戦いって、中元自身のための戦いではなかった、またはならなかったわけじゃないですか。
エルザが生きていればエルザを、エルザの生きる世界を、エルザとの子供を守るための戦いだと、そう思えた。でもそうはならなかった。
だから彼は、今度こそ彼自身のために戦わねばならない……とはいえると思います。

singingroot

年下を守ることが、中元自身のための戦い、という位置づけですか?

もりやん

そこがねー、彼の宿業というのかトラウマというのか……。
自分の幸せのためとか、愛する人を守るためとか、あんまり素直に解釈できる感じじゃないんですよね。

singingroot

難しいですよねそこんとこ。

もりやん

彼、他者を守ることでしか自己肯定できなくなってしまったんですかね……。
中元もだいぶ壊れていて、もう直らないじゃないですか。

singingroot

それもそうだし、そんなヒロイックな戦いが描かれてるかっていうと、そうじゃない、という話もあると思います。
そもそも現代日本女子組が戦いに巻き込まれてるのが、半分くらい中元が近くにいるせいまである。

もりやん

むしろそういう意味で、今度こそ自分の属するコミュニティを守るための戦いという言い方はできるのかと。
だって向こうの人は向こうの人じゃないですか?
アンジェは向こうの人だけど、向こうとの関係・因果をスッパリ断ち切って、中元の庇護下・家族に属したいという気持ちでやってきてはいる。

singingroot

今度こそ自分の身の周りの人を守りたい。それは分かります。そうすると、ちょっと疑問に思っていたことがあるんですが、「中元が何故エルザを殺したか」という点が大事になるかなと思うんですね。
明確に語られてないですよね、多分。なぜエルザより世界を選んだのか、その芯の所が。

もりやん

語られてないですねえ。

singingroot

世界を敵に回してもキミを守るよ的なことが、何故出来なかったのか。現代日本でそれをやり直すくらいなら、なぜ最初からそれが出来なかったのか?

もりやん

エルザを殺したら彼の戦いは無意味なんですよね。それは間違いない。
彼はエルザを殺したことを明らかに過ちだと感じている。

singingroot

そこが語られずにサスペンドされ続けてるというのは、本作の刺激的であり、難しいところかなと思ってます。

もりやん

まあ、メタ的には過ちを犯したところからスタートしたかった、それは明白なのですが。
……結局ね、人間てのはそういうものかもしれないね。自分の都合だけで物事を割り切れないというか。

singingroot

やっぱりそういう形になるんですかね、それはそれでよく分かるんですが。

もりやん

あのね、その、現代日本での、自分の「家族」を守るための戦いが……全然楽しくないじゃないですかw

singingroot

はい。

もりやん

客観的に見ればけっこうヒロイックな戦いと解釈できる気もするのに、なんかこう……しみったれてるじゃないですかw

singingroot

いや客観的にもどうかな……w
まあ、異世界に居たときも、この世界でも、スッキリ悪を倒す戦いではないのはそうですよね。

もりやん

敵がどうというより、どう選択しても後悔がつきまとうというか…。
ほんとのほんと、人間は自分の都合だけでも論理的な正解だけでも割り切れないし、どっちを選んでも後悔は残るし、一度それを理解してしまったらなおさら割り切れない。
まあ……滅びた世界でエルザとアダムとイヴやったところで、エルザは喜ばないよね……フィリアは喜ぶだろうけどw

singingroot

そうですねえ……。
異世界でそういうどうしようもなく割り切れない戦いがあって、そして、現代日本での戦いにもそういう一面はあるわけですね。
でも現代日本での戦いは間違いなく異世界でのものよりは多少なりとも中元にとってポジティブな意味合いを持つものなのも確かでしょう。

もりやん

そうですね……いうなれば、自分の気持ちを殺さないこと。死んだように生きないこと……その違いなのかな……。
JKのおっぱい揉みたいって気持ちだって、ほんとの気持ちなら殺さなくてもいいじゃないですか。
実際中元は(ごく最近までw)自分の倫理観にしたがってそれを「我慢」してはいたけど、でもそれは「殺して」はいないでしょう?

singingroot

まあダダ漏れですよね普通に

もりやん

そうだけどw 行動に移さないということと、気持ちそのものを封じ込めるということは違うんじゃないかと。
アヤコちゃんBが言ってましたけど、中元は異世界で殺しを忌避する気持ちを封じ込めてしまったわけですよね。7
実際殺すかどうかは……重要だけど決定的じゃないです。決定的なのはちゃんと感じられるかどうか

singingroot

その違いは、確かにそうですね。そこは決定的に違う。

もりやん

かつては、それを蘇らせてくれたのがエルザだった。

singingroot

そして今は?……なんだろう。

もりやん

なんだろうww 僕もそれアレッ?と思ってw

singingroot

現代日本っていう文化の中に、ホームグラウンドの中にいるからってのはありますよね、まあ身も蓋もないことを言えば。

もりやん

それは間違いなくあるw
アンジェもそうではあるんだけど、アンジェだ!っていうとなんか違う気はするw

singingroot

なんかな、アンジェがバブみで甘やかしてくれるから~とかそういう結論に行かないですよね。

もりやん

そうなんですよねw
なんだかんだ……ここが現代日本で、そこに自分の人生があるっていう実感なのかな……。
それが、異世界にはエルザ以外なかった
その意味で彼は最後まで、マレビトのままでしかいられなかったのかも。

singingroot

なんだかんだ周囲にフレンドリーな男キャラがいるんですよね、異世界で周囲の男に全く馴染めてない描写ばかりがあったのと違って。

もりやん

ヤクザと公安だけどw

singingroot

ヤンキー兄ちゃんもいるよ!

もりやん

でも……マジメな話、彼にはヤンキーとヤクザと公安のほうが異世界の兵士より共感できたんですね。

singingroot

ヒロイン一人に寄っかかって幸せになれるタイプじゃないんですかね、彼は。

もりやん

というより、人間はそうじゃないっていう書き筋なのかな。
基本的に、中元はどこまでも普通の男で、彼の個性がこうだから、彼がこういう男だからという書き筋にはなってないでしょう。

singingroot

それはそうですね。

もりやん

だから、バブみも必要だしおっぱいも必要だし。
仕事も必要だし、キレイなユメもそれはそれで必要で。
エルザが見守ってくれているというユメも、彼には必要だったのかも?

singingroot

そう言われるとしっくりくる気はします。

もりやん

アレかな。突き詰めたくないのかな。彼は。
エルザが見守ってくれていると思えることが必要で、そのユメを壊したくない。だから突き詰めて考えない。

singingroot

まあ煮え切らない男といえばそうですよね……。
情けないと言えば情けないし、でも共感できる情けなさですよね実際。割り切れない「八割」の側の人間だからこそ、PTSDになったとも言えるわけだし。

もりやん

フィリアは明らかに「二割」の側ですよね。

singingroot

まあ161話盛大に割り切りましたからね。オムツのためならすべてを捨てた女なので。

もりやん

そういうパワーワード本文に平然と出てくるのがなw

singingroot

いやこれだけ無茶苦茶やっといて、破綻してないのはすごいと思いますよ。
いや破綻してないかの判断は人によって違うような気もするけども。

もりやん

元々破綻してるから、改めて破綻はしてないというか……。

singingroot

中元がグダグダ言い訳を連ねるので決定的な関係を持つまでは行かないんだけど、でも別に普通に流し流されはしてて、というのはバランス感覚だなあと思います。

もりやん

なんというか、それこそリトさん8だって流し流されやってるんだけども。
流し流されを自分に許さないと、人は壊れるというメッセージにまで至ってますよねこれ。

singingroot

赦し。バブみですね……。

もりやん

バブみとは、赦す少女の側ではなく、赦されることを自分に赦す男の側に本質があったのか……。

singingroot

いやそれは実際あると思いますね。受容側の態度にこそバブみ概念の本質はあって、みたいなのは。

もりやん

けっこうマジでそういう話か。だからわざわざ少女が対象になる。幼い女の子に甘えるのってどうなの?というより鋭い問いが前提にある。
見るからにママみの深い女に甘えることを自分に赦すのはたやすい。相手が幼女でもいいじゃないかにんげんだもの。これがバブみか!

singingroot

ていうか、そうか。エルザのママみが深すぎたからこそ、中元は「過ち」を犯してしまったんじゃないか、という捉え方もできるのかも。

もりやん

「エルザから与えられるものを、中元は突き返せなかった」というような話でしょうか?

singingroot

そうですね。エルザが、中元の勇者としての役割のために自分が犠牲になることを受け入れたときに、それに流されてしまったのかな、というような。
いやその場面が書かれていない以上、憶測でしか無いですが。

もりやん

まあエルザも元奴隷で判断能力怪しいところはあるんですけどもw

singingroot

まあそこよくわかんないですよね。回想で若干神格化されすぎてて、実際どういう人だったのかは分かりにくいとこがある。

もりやん

まあ、その神格化しすぎってところでしょうね。エルザの「愛」を、中元は拒否することができなかったと。
エルザが奴隷であり女神であるということがよくなかったのかな。
二重の意味で、中元の側で「判断」を行うメカニズムが封じ込められている
アンジェたちに対しては、何をするにしても中元はウダウダ考えますよね。その考えるということ自体が重要なのかもしれない。
例えば犠牲になろうとしていたのがアンジェだったら、中元はどちらを選ぶにせよ、考えて判断して覚悟したのではないか。

singingroot

そういう意味では、父性っていうのは、ある特定のヒロインとの関係だけに溺れないためのよすがとしてあるのかもしれないですね。

もりやん

それは結局、エルザほどには大事でないからなのかもしれないけれど……。

singingroot

そこは難しいですよね。それがネガティブなことなのかどうかも分からなくなってきました。

異世界現代日本

もりやん

でも、エルザほど大事でないというのは、異世界には他になにもなかっただけともいえる。

singingroot

ああ、エルザほど大事でないっていうのは絶対値じゃなくて相対値なんだと。

もりやん

いうなれば、現代日本に「エルザ」は存在し得ない

singingroot

奴隷も女神も、という意味ですよね、それは。

もりやん

そうだし、どっちかといえば唯一性の問題ですかね。

singingroot

唯一性って意味で他には何もなかっただけっていうとパーティメンバーが泣く気もしますが……。

もりやん

たぶんこれは僕もうたねさんもそうだと思うけど、リアルの世界において命の二者択一を迫られたとき、両方助ける以外の選択肢ってないですよね。

singingroot

「正しい」選択肢は、そうですね。

もりやん

正しいというより、「選べる」っていう意味かな。
例え片方が妻でもう片方が他人でも、あるいは罪人でも、実際問題他人の手を離せます? ムリでしょう。
「滑る」ことはあるかもね。でもそれはやっぱり「選んで」はいないでしょう。

singingroot

分かります。

もりやん

でも、異世界に行ったら恋人選ぶでしょう。外国でも選んじゃうかも。

singingroot

ふむむ?

もりやん

ガンダムUCでいえば「撃てませぇぇぇぇん!」っていう倫理観、異世界では機能しない気がする。

singingroot

それは異世界/外国の「恋人以外の人間」に対して、どう言ったらいいのかな、親近感というか、同族意識とか、そういうものが薄いとかそういう話ではなくてですか?

もりやん

まあだいたいそういう話ですし、もっとフィールド的な話でもあるかも。
例えば、日本の崖で日本人の手を放すのと、外国の崖で日本人の手を放すのでは、けっこう抵抗感が違うような気もする。

singingroot

その抵抗感の感覚自体は分かる気はします。
それは私にとってはですが、「外国でそういう行動をとったとき、自分の社会的なreputationが下がるリスクが小さいから」っていう感覚なんですが。
どっちかというと、もりやんさんが今おっしゃってるのは、「外国でそういう行動をとったとき、周囲の人間がその選択に同意してくれるから」ですかね?

もりやん

あ、そういう考えはあんまりなかった。いっそ誰にもバレない条件で想像してた。
詩的に言えばお天道さまが見てるかどうかの違いですかね。
これは「故郷」っていうより、「日本」っていう世界特有の感覚なのかも。

singingroot

あ、そういう仮定ですか。

もりやん

誰にもバレない条件でも国内のほうが見捨てにくくないですか? わかります?

singingroot

すみません、そーなるとちょっと分からないかもですね……w
まあこの辺は個人によって色々違いそうではあります。

もりやん

あじゃあそれはおいといてw
ぶっちゃけ、異世界の人間にどう思われようが知るかって要素は確実にありますよね。

singingroot

そうですね、それは間違いなく。

もりやん

いろんな要素が影響すると思うけど、リオよりフィリアのほうが確実に大事だけど、異世界でフィリアを見捨てるのは良くても、日本でリオを見捨てるのはムリみたいな感覚はありません?

singingroot

それは、うん。あると思います。
異世界だから」「日本だから」なのかはちょっとわからないですが。
というのも、「フィリアは強い」「リオは弱い」だから父としてはリオを守らなきゃ、みたいなのも入ってきちゃう部分はあるので。
その辺コミコミで、最終的にそういう判断に傾くのは分かります。

もりやん

あーありますね。それと、「自分が守らなきゃいけないか」という言い方するとまたニュアンス違ってくるし。
で、逆説的に……なんですけど、だからエルザを殺してしまったのかな、というところに繋がる話だったんです。

singingroot

中元にとって、「自分が」守ったり殺したりできる――ある意味、なんだろう、「他人じゃない」相手が、エルザしか居なかった、ということですかね

もりやん

そうですそうです。
それでね、第五章あたりの話になってくるんですけど、日本でおしめ換えてるうちに、フィリアも「他人」じゃなくなった感じしません?

singingroot

ですねえ。少しずつ、改めて関係を結び直してるわけですよね。
元々鈍感スキルや若さのせいで相手の気持ちを理解できてなかった所を、JK達の助けを借りて、関係を結び直しているような。

もりやん

このへんが、なんというか、ストーリーラインはぐっちゃぐちゃでワケわかんないんだけど……なんか、スジは通ってるんですよね、この作品。

singingroot

わかりみ。

もりやん

なんで、章が終わってみると謎の達成感みたいなものがあるし、ホンモノ感がある。
途中では怒涛のパワーワードしか印象にないんだけど……なんだよ罪のミルフィーって!

singingroot

異常性癖とヒロイン

singingroot

いや面白いですよ本当に。やっぱり人物が破綻してるって感覚がないんですよね。

もりやん

わかりみ。

singingroot

無茶苦茶やってるし、ネタ先行で書いてるだろう箇所とかもあると思うんですけども、それがちゃんとその人間の個性として吸収されている。

もりやん

いわゆるギャグシーンでのキャラ崩壊とかって、僕萎えちゃうことも多いんですけど。
この作品だと、ああそうかお前はそういうカルマを背負っていたのかという納得感しかないのはなぜなんだw

singingroot

それもこう、「このキャラはこういうカルマのキャラなんです」っていう綺麗に統一された属性でやってるかっていうと、そうでもないじゃないですか。

もりやん

そうなんですよね……。

singingroot

ていうかフィリアのオムツ属性とか、どっから出てきたんだお前それは。

もりやん

ヤミツキになってんじゃねえよwww
あのーそれはやっぱり、一面にはリオがただのドMではなくて、昭和ガンコ親父好きっていう、一歩踏み込んだその、邪悪があるからですよね。

singingroot

別になんかトラウマのせいとかでもなくて、結局単なる性癖ですよね……。

もりやん

作者の都合でそこまで邪悪にはなれないっていうか……、もうそういう悪霊に取り憑かれてるんだからしょうがないって思えるというか……。

singingroot

悪霊w
ちょっと感想欄の話が出てましたけど、まあ全員ヒロインは邪悪っちゃ邪悪なんですけど、エルザは除いて、誰が人気とかってあるんですか?

もりやん

わかんねえよマジでw 毎回パワーワードにみんな脳を破壊されているので……やっぱり、一頭地を抜く邪悪さを持つアヤコちゃんBへの反応が大きいかなあ……。

singingroot

まあ……地の文とシステムメッセージの扱いが明らかに酷いですからね……。
ていうか綾子Aが相対的にすごくまともに見えてビビりました(小並感)。

もりやん

いやそのりくつはおかしい。Aもたいがいだからね?

singingroot

おかしいな……。
ヒロインについては、書籍化でイラストがどうなるかってのも気になりますね。その辺で印象がまた変わってくるかもしれない……いやおかしいのは何がどうあっても変わりようがないですが。
ていうかあゆま紗由でいいのか?

もりやん

アンジェはこういう絵柄が合う気はしますが。でもこの絵でアヤコちゃんは想像つかないぞ……。

singingroot

そうそう、この絵柄でちょっとヤバい組をどう表現するのかという……。

もりやん

口絵は炸裂してそう。4pフルカラー漫画とか入ってそう。

singingroot

どのシーンだw

もりやん

候補が多すぎるのですがw

singingroot

加筆だの修正だのがあるのかとかも含めて、怖いものみたさ的な意味ではすごく気になりますね、書籍版は。

もりやん

んでまあちょびっと話を戻しますとだ、なんだかんだ作品全体で、変態であることを肯定するような仕組みとか雰囲気作りはあるよねって。
なんというか……この作品での変態性は、人間関係における触手というか……。

singingroot

またなんかパワーワードが出た。

もりやん

干渉し合う部分でもあり、触るとヌメっとするからヒッってなるところでもあるんだけど、同時にコミュニケーションの手段でもあって。
だってリオが変態じゃなければ、おっさんがギャルとコミュニケーションなんか取れないじゃないですか。アヤコが変態じゃなければ、殻に閉じこもって出てこないだろうし。
基本的に異性怖いんだから、スケベじゃないと寄っていけないよね

singingroot

なるほど、もりやんさんの言う変態は、多分、「異常性」じゃなくて「突き抜けた性欲」みたいな感じのやつですよね。いや突き抜けてるから異常っちゃ異常なんだけど。

もりやん

「自分の奥底から出た」とかも付け足していいかな。

singingroot

そうですね。

もりやん

あと、「歪み」とか「偏り」という意味で、異常性に近いニュアンスもある。

singingroot

難しいな、表現が……。

もりやん

まあそれ、いってしまえば「個性」なんですけどね。
ヒロアカの「個性」だって気持ち悪いじゃんw9

singingroot

そうですね。なんていうか、それがリオとかの奥底から出てきたもので、そいつは中元にとって時に怖いし時にキモイし時に魅力的で、とにかくそれはリオの……まあ、引っくるめて言えば、個性で。

もりやん

んで、云うたら、個性が軋んでストレスが発生している状態のほうが正常なんですよ

singingroot

うん。

もりやん

エルザとは噛み合いすぎてたし、フィリアたちとは噛み合わなすぎてたし。
そういう意味で、かつてのパーティになく、いまの生活にある生命力みたいなものって、言い換えればその変態性というか、変態性が表出しているフィールドのことだよなあ……みたいな。

singingroot

それは多分、最初にアンジェがもたらしたものなんでしょうね。

もりやん

ですね! アンジェ天使だなあ!(錯乱)

singingroot

よし、やっぱりメインヒロインはアンジェだった。何の問題もない。

もりやん

いやーマジな話、エルザよりアンジェのほうがいい女だということに納得がいったような気がする。
懐が深いですよね、物理的にも精神的にも。

singingroot

確かにここまで話して、なるほどなって感じがしてきましたよね。

もりやん

すごく単純な違いとして、アンジェは恋敵のことを認識してるじゃないですか。

singingroot

そうなんですよね。友情一辺倒とか排斥一辺倒とかじゃなく、普通にちゃんと関係を結んでいる

もりやん

その上で競うし、蹴落とさないし、仲良くもするし、嫉妬もする。健全……この作品にこの表現を使うと頭がおかしくなりそうですが、健全ですよね。

singingroot

け、けん……ぜん……いや、しかし……確かに……?
あと、やっぱ元勇者パーティの面子の感情解説するのが地味に大事ですよねってのもある。10

もりやん

そう、人の気持ちが分かる子ですよね、アンジェは。しかもそれを鈍感カンストの中元に伝えられるあたり、頭もいい。

singingroot

彼女のあの技能がなかったら、今ほど上手くいかなかったことっていっぱいあるんだと思いますよね。

もりやん

ここで、実はエルザも認識していたんじゃないかと思うと突然ホラーになりますよw

singingroot

そこな!!!!どうだったんですかね!!!???

もりやん

思うに、本能的には感じてた部分はあったと思う。

singingroot

まあ立場が立場ですからねえ、気付いてたとしてもどうにかできたかは別の問題だったのかもしれないし。

もりやん

また、当時の中元にそれを受け入れる度量があったかという問題もあり……。
今のアンジェたちのような関係を築くことは結局不可能だったとは思いますが、エルザがアンジェほど視野と心が広くなかったのは事実でしょうね。
まあ、なんだかんだアンジェは善良だし優秀ですよ。性癖が邪悪なだけで……。

singingroot

まあアンジェたちだけでなく、詳しく語られてないけど、エルザも性欲はスゴかったとか書かれてますしね……。
あと性癖とかについては、もうそういう仕様だということで……。

もりやん

ぶっちゃけエルザも相当の地雷女だよなw
中元が気付いてないから我々に伝わってきにくいだけでw

singingroot

やっぱり中元視点以外のエルザ描写が楽しみです

まとめと次回への振りなど

もりやん

というわけで、だいたい語りたいことは語れたと思います!
アンジェがすごく好きになれた!

singingroot

うい、こちらも色々納得が得られて非常に楽しかったです。

もりやん

ちなみにいちおう聞いてみるけど、コレに関連しておすすめの作品とかありますか?

singingroot

今回の話から繋げるのに適切な作品、という意味です?
メインヒロインとはなんぞやとかハーレムの設計どーすんだとかバブみの扱いとかですかね、例えば……。

もりやん

合わせて読みたいとかお口直しでもなんでもいいですし?
別に我々の間での課題図書的な意味ではなく。

singingroot

あー、例えば『俺のロボ』とかは、"メインヒロインがナビゲーターAI" "現代モノ" "おっさん主人公"と、共通する要素が多いですかね。中身が似てるかどうかはともかくとして。
ノクタの方の『我にチートを』と同じ作者の作品ですね。

もりやん

あっノクタの話OK? いま僕の中で一番熱い作品ってノクタなんですけど。

singingroot

ノクタは数を読んでるかっていうと微妙ですが、別にエロはNGとかそんなのはないですよw

もりやん

じゃあ『こんなチンポに誰がした!』ですね。
Twitterにも書きましたが、あまりにも面白くて速攻で怪文書レビューを書き上げていた作品です

singingroot

書き出しが聖也を半年ぶりに射精させたのは、やはり黒淵麗奈だった。
インパクト大。

もりやん

「こいつタダモンじゃねえ」が何段階か来ますよ。

singingroot

ただ、もりやんさんのレビュー、いま読んでみましたが正直よく分からんかったです……w

もりやん

読み終わった上でコンテクストを把握してないと意味わかんないと思うw
最初600字のつもりで書いたら400字制限だったからめっちゃ削ったのもある。

singingroot

あー、レビューや感想の類ってほぼガン無視してるので知らなかったんですが、400字制限なんですね。

もりやん

感想はもっと長いと思う。レビューは400字ですね。

singingroot

ああ、感想は字数制限ないんですね。なるほど。
まあ性癖の問題もあるのでどのくらい話にノッていけるかは読んでみないと分かんないですが、ちょっと読んでみます。

もりやん

抜けるかどうかは別として、めっちゃ面白いですよ!

singingroot

あと、あけちともあきの作品も、カラーは少し似てたりしますかね。もりやんさんも読まれてるやつがあるかと思いますが。

もりやん

熟練度カンストの魔剣使い』と『転生魔王のマニュアル無双』は読みましたね。
『マニュアル無双』は、彼の作品の中ではやっぱりメジャー感があって素直に読みやすいですよ。
よわよわ魔王VS七人の勇者という構図が既に勝ってるし、笑顔の絶えない楽しい職場の話なのが良い。
エロは皆無なので口直しにはいいと思うw

singingroot

『マニュアル無双』は読んでないんですよね。やはり読まねば……。
初期は現代モノとかも書いてます。『シェイプシフター』はヒロインの存在感とかも面白くて、割と短いですし面白いかも?

もりやん

なるほど、僕もチェックしてみますね。
んじゃ今日はこんなところで!

singingroot

あいあい、お疲れ様でした。

もりやん

ありがとうございました!


  1. 文芸・書籍サロン - おーぷん2ちゃんねるに存在する、「小説家になろうおすすめ・雑談スレ」のこと。発掘することから通称スコッパースレと呼ばれているようだ。編集時点での最新スレは【荒らし厳禁】小説家になろうおすすめ・雑談スレ 31冊目

  2. singingroot氏のこと

  3. 永遠のアセリア - Wikipedia。主人公は異世界に勇者として召喚されるが、実際の扱いとしては、戦争奴隷同然に他国との戦争に駆り出されることになる。

  4. 異世界帰りのおっさんは、父性スキルでファザコン娘達をトロトロに - 遅すぎたんだ参照。

  5. 転生したら剣でした』に登場する、やはりシステムメッセージ的な存在のこと。

  6. コミュ難の俺が、交渉スキルに全振りして転生した結果』のこと。交渉スキルという字面からは想像も付かないエロ小説展開が襲ってくることで有名。

  7. 異世界帰りのおっさんは、父性スキルでファザコン娘達をトロトロに - 80%側の人間参照。

  8. To LOVEる -とらぶる-』シリーズの主人公、結城リトのこと。

  9. 僕のヒーローアカデミア』。ざっくり言うと、一定の割合で『X-MEN』的なミュータントが生まれるようになった世界が舞台の漫画。

  10. 前出の「遅すぎたんだ」と、異世界帰りのおっさんは、父性スキルでファザコン娘達をトロトロに - サークルクラッシャー参照。