蓮乳

「蓮乳」は確かにある種の芸術だよね。ありきたりなグロ画像じゃない、きれいなものときれいなものを合成しただけなのに悲鳴が出るほど気持ち悪い。世の中に迷惑しかもたらさなかったがあれを発明した奴は天才だ。
蓮乳が流行った頃はたぶん多くのコラ職人がアレを作ってたんだろうけど、ただのグロ画像に執念燃やせる奴はそんなにいないよね。某かクールなものがあったからあんだけ広まったわけで。
で、蓮乳のアイディアをプラスの方向に転化したのが水着消しってことになると思うんだけどw 水着消しはやっぱりバタ臭いよなー。そりゃあ蓮乳より水着消しのほうがずーっと好きだけどさ。性的な意味で。
甲田学人の著作に、「人体が何物かに侵される」というホラーシーンがいくつかある。最近では『断章のグリム10』が「芽が、芽がぁ〜!」って話題になったけど、蓮乳が同種の恐怖をもたらしているであろうことは自然と納得できる。
蓮乳の恐怖の半分は「人体に異物を合成する」というアイディアにある。もう半分は、違和感の演出。蓮乳が振るっていたのは、美しい女体と、高度なコラ技術によって、パッと見異変に気付かず画像に見入ってしまうところにある。気がついたときにはもうガン見したあとだという。
なぜ蓮「乳」だったのか。まずは、視線を引きつける効果。尻だとすぐバレそうだし、股間だとそれほど強烈な違和感はなさそうだ。
では「蓮」乳だったのはなぜか。色合いや形状が派手だと充分引き込む前に退かれてしまう。蓮は一見地味、しかし「無数に並んだ細かいもの」はある種の人には非常な生理的嫌悪感を催させる。
なんで必死に思い出し気持ち悪さに耐えながら蓮乳の話を続けているのか。
なにせぼくはまさに「無数に並んだ細かいもの」がクリティカルヒットするたちだったので、蓮乳は本当に苦手だったのだ。