キャスト:id:catfist(),id:matunami(),id:simula()*1
(某駅構内の喫茶店にて。ネタバレ。)
「桜井光作品*2はスチームパンクっていいますけど、サイバーパンクの場合、特定の都市を舞台にしてなくてもいいんですかね?」
「ええと、まずサイバーパンクがスチームパンクの親ってことでいいんですよね」
「ですね。サイバーパンクに擬えてシャレで呼び始めたのがスチームパンクなので」
「スチームパンクってのは産業革命時代のイギリス、ちゅかロンドンがモチーフなので、ロンドンっていう都市との結び付きは一応ありますけど、サイバーパンクにそういうのはないですよね」
「そうですね。桜井光スチームパンクの場合、蒸気機関が発明されて変革している世界の色んな都市が舞台に」
「『装甲悪鬼村正』ってサイバーパンクでいいんですかね?」
「そうなんですか?」
「え? んー、まずサイバーパンクって、荒廃した未来でコンピュータ技術でアクションな感じってことでいいんですかね*3」
「いや、必ずしもディストピアである必要はないんですよ。そういう傾向はありますけど」
「従来のSFがある種夢想的な科学技術をモチーフにしているのに対して、サイバーパンクは現在すでにある技術がそのまま社会を発展させていったらどうなるか、という仮想未来を描いているんですよ」
「すると、『村正』は過去なんですよね。あれはWW1?」
「一次大戦後ですね」
「『村正』ってどういう話なんですか」
「剣豪小説ですね」
「奈良原一鉄は全部そうですよね」
「今日の話題で言うと、ジャンルフィクション系*4のライターなんですね」
「そうです。加えて『村正』の場合、インテリジェンスアーマーが鍵になってるんですよ。メインヒロインも鎧」
「鍛冶師が命を捧げることで、その魂がAIとして鎧に宿るんですよ」
「それで、量産型の鎧も出てくるんですよね。そちらは鍛冶師が命を落とす必要がない」
「そう。代わりに完全なAI制御になってるんですよ。従来のよりは弱いんだけど、それを補う火砲も後半に登場して戦争が変わるんです」
「偽史ですね。偽史っていうのもサイバーパンクでは重要です」
「なるほど。あとはあれですね、従来のSFが技術に未来をみているのに対して、サイバーパンクはこのまま技術が進むとどうなっちゃうんだろうっていう想像力だから、技術に対して否定的な態度はありますよね」
「まあそうですね」
「ジャンル名がスラッシュダーク……ファンタジーだっけ?」
「ええと、とにかくスラッシュダークなんちゃら*5ですね。スラッシュは剣豪ってことで」
「呪われた鎧にあてられて狂った妹を討伐するってのがあらすじで、そういう意味でも暗い雰囲気の話ですね」
「結局、『村正』はサイバーパンクに当てはまるんですかね?」
「……まあ、いいんじゃないですかね?」
「いいんじゃないかなあ」
(了)
- 出版社/メーカー: ニトロプラス
- 発売日: 2009/11/27
- メディア: DVD-ROM
- 購入: 11人 クリック: 34回
- この商品を含むブログ (17件) を見る
白光のヴァルーシア ~What a beautiful hopes~
- 出版社/メーカー: Liar-Soft
- 発売日: 2009/11/20
- メディア: DVD-ROM
- 購入: 3人 クリック: 35回
- この商品を含むブログ (10件) を見る
ブレードランナー ファイナル・カット 製作25周年記念エディション [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2010/04/21
- メディア: Blu-ray
- 購入: 6人 クリック: 71回
- この商品を含むブログ (69件) を見る