「不信の停止」について。

あるいは、穴がボコボコ開いた脚本を楽しめないのは視聴者の民度が低いせいなのか問題。
「不信の停止」ができないのはある程度まではユーザ側の問題ではある。ただ、作品を楽しむ上では必須の技能であっても、評論する上ではそうとはいえない。無粋なツッコミを我慢できない視聴者が一概にサムい、とも言えないので、そこでエクスキューズ(細部を切り落としてる代わりに勢いを出してるんだ、とか)を用意できてない作品については、出来が悪い、と評することになる。
例えば、特撮ヒーローもので、変身に邪魔が入らないのは、ある種のお約束である以上に構造上の必然性がある。撮影コスト縮減のため、また毎週含まれるシーンのクォリティをアップするために変身バンクがあって、そうである以上いちいち妨害とか考えるのは無粋だっちゅーことはいえる。
ハーレムラブコメでも、出てくる女の子がみんな主人公を好きになるのは、不自然だけどその方が面白い、すくなくともターゲットしているユーザにはアピールするから許容されるわけで。
ただし、女の子がことごとく主人公に恋してはメインヒロインを除いてくだけちってゆく、ということを何らかの意味で許容できないユーザは、こぼれおちることを織り込まないといけない。
同じことが『Angel Beats!』にもいえる。
その穴、必要な穴ですか。必要ないならそれは単に欠陥ということになる。

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