『384,403km―あなたを月にさらったら』

良かった。
こいつはくせえーッ!ド傑作のの匂いがプンプンするぜーッ!! と思ったら普通に傑作。
ともかくも、文体が非常に好みだった、ということが理由の第一なのだが。
恋愛勉強會に入った美由紀を、山百合会に入った祐巳に、おおざっぱに擬えることはまあ可能だと思う。それに何の意味があるのかと言うと、つまり主人公の女子としての開花をもたらす出会いとして。
元々(努力の成果とはいえ)魅力的で、元々レズで、元々想い人がいた美由紀にとっての開花とは、ただただクソ度胸であった、という身も蓋もなさ。
ああそうだ、誰かに似てると思ったら宮沢雪野だ、藤林美由紀。ゆきのん×まほさんは好物でした……。

384,403km―あなたを月にさらったら (ティアラ文庫)

384,403km―あなたを月にさらったら (ティアラ文庫)