スピカED。以下ネタバレ隔離。
友情展開になると心の置き場がねえなあエロゲ。
麗しくはあるが。
というわけで、「友のために散る女」でありました。
友情と恋の板挟み、だったわけだが、うーん。
自分で書くならオザキに執着するガーネットゾディアック、というのは入れる。
女共だけで完結されても困るんだよなあ。本人目の前にいるのにシカトっすか、という。
「謎解き」が極めて軽視されたシナリオという印象。
なぜスピカが街を出ないのか、というのはまああったが、物語上でそれを明らかにする要請があんまなくって、単に理不尽に裏切られたオザキの心情がフォーカスされている感じ。
その他にも謎はいろいろと散りばめられてはいるが、答えがわかりきっているかいらないかで、あんまり推進力にはなっていない。
話自体は、正調な悲劇で良い、とはいえる。戦い、恋、死、自殺スポット、敗北の美学。しかしフックがない。エンジンがない。美しいが響かない。プレイヤーがノっていけない。
オザキの人格は、基本的にはごく「普通」なものとされている。それが何度死んでも蘇ろうとする「異常」な行動に出るには、それなりに感情面の理由付けが必要だと思うが、それが一貫性のあるものにはなっていない。
オザキがスピカを好きになったのはたぶん物語の途中からであって、であるならば当初スピカを救おうとしたオザキの性格的な動機と、後半のひたすらスピカのためという心情が微妙に噛み合わない。といってスピカに一目惚れだったようにも、見えないんだよなあ。序盤からスピカにガンガンドキドキならもっとわかりやすかったんだが。
もう死んでいいんじゃねえかって気ぃすんなあ。いまいちこの先の展開への動機がない。
セカイの謎的にはゾディアック=エトワールというのが出てきたわけだが、「エトワールをゾディアックにさせない(=死なせない)」「エトワールを仲間同士で戦わせない」という方向にいくのかも思えばさにあらず。
青い扉で「スピカと一緒にいたい」って言われてもなあ。ガーネットかわいそうです。