百合

ユニセックス百合と女百合

伊都工平『天槍の下のバシレイス』を読んでいたところ、かるく百合っぽいシーンがあって少々意外の念に打たれた。というのも、伊都の既読作品『モノケロスの魔杖は穿つ』『さくらら』が、いずれもかなり保守的な男女観に根ざした作品だったからである。 特に…

萌え4コマはなぜ百合と結びつきやすいのか?

表現形態上、作品世界において記述しうる「窓」が狭いために、見え方において女性のみの世界が成り立ちやすいことが一つ。ぶっちゃけ、女性しか出てこない普通の漫画って4コマに比べてちょっと違和感あるよねという話。 そして、萌え4コマ漫画のリアリティレ…

可能な限り一般的な「百合」の定義を考えてみる

百合とは何か。男性・女性・同性愛者・同性愛愛好者問わずの共通認識において、「百合」という言葉からイメージされるものの最大公約数は、「秘密の花園」だと俺は考えている。 百合かくあるべしとか、百合かくも美しきとか関係なく、百合っつったらこういう…

アサウラ『バニラ―A sweet partner』と冲方丁――「虐げられた少女の、抗撃としての銃」/「まなざし」の暴力性

『バニラ』は、アサウラのデビュー作である『黄色い花の紅』の続編的作品といえる。一部登場人物も共通するが、それ以上に、「虐げられた少女の、抗撃としての銃」という印象的なモチーフだ。 前作では「虐げられた少女」に「かつて少女であった大人の女」が…