ライトノベル感想

『俺の妹がこんなに可愛いわけがない5』精読

当然、ネタバレです。解釈の前提となる、筆者の認識を先に書いておきます。 ×近親相姦 桐乃が実は京介に恋しているのではないか。そんな誤解が成立するように書かれていることは否定すべくも無い。しかし、妄想としてはともかく、プレーンな読解としては否定…

平坂読『僕は友達が少ない2』

シリーズ平坂読第3弾。 平坂読『ラノベ部』主に3 平坂読『僕は友達が少ない』 必ず1・2巻セットで買うことをおすすめする。 やっぱこうすればよかったんじゃん。 夜空と星奈がそれぞれに小鷹に執着している構図が1巻ラストで示されたことで、理科加入編がま…

平坂読『僕は友達が少ない』

平坂読『ラノベ部』主に3 シリーズ平坂読第2弾。 前掲記事で述べた通り、ぼくは『ラノベ部』に大きな衝撃を受けた。これは杉原智則における『レギオン』のような集大成、かつ転換点となる作品ではないかと感じた。従って次回作は注目すべきものとなった。脱…

平坂読『ラノベ部』主に3

平坂読はデビュー作『ホーンテッド!』を読んだ後しばらく触れていない状態が続いていた。ホーンテッド自体は空前絶後の「男に抱かれたい欲望を植え付けられるブックポイズン」として高い(?)評価を与えていたものの、以後どうにもピンとくるタイトルがな…

『俺の妹がこんなに可愛いわけがない3』

正直、期待を超える出来栄えであります。精緻だなー。俺妹3はなぜ素晴らしいか。物語の核となる京介と桐乃の関係性は、物語的に裏打ちされておらず、ただ「兄妹」である、とされている。これは端的に言って、物語が京介と桐乃の関係性の変化を目指して進展し…

『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』はメタ?

主に1巻の話。 俺妹がメタだというのにはふたつの側面がある。ひとつは実在のニュースサイトの登場。もうひとつは、桐乃が直面する問題が、読者がリアルに抱えるヲタバレの恐怖だという点。 ^ 前者については釣り以上の意味は何もないのだが、後者については…

アサウラ『バニラ―A sweet partner』と冲方丁――「虐げられた少女の、抗撃としての銃」/「まなざし」の暴力性

『バニラ』は、アサウラのデビュー作である『黄色い花の紅』の続編的作品といえる。一部登場人物も共通するが、それ以上に、「虐げられた少女の、抗撃としての銃」という印象的なモチーフだ。 前作では「虐げられた少女」に「かつて少女であった大人の女」が…

『ばけらの!2』永遠なるものから遠く離れて

俺の大好きなばけらのの続きがようやく福岡でも買えたので即読んだ。 ばけらのは実在のライトノベル作家コミュニティにおいて実際にあった出来事を下敷きとして書かれている。つまり業界ネタ・内輪ネタであり低俗の謗りは免れない。 でも面白いんだこれ。 今…

『俺の妹がこんなに可愛いわけがない2』

読了。ほらもうオタク要素が邪魔だよ。 展開的には完全に1巻のやり直し。親父があやせに変わっただけ。しかし、黒猫が桐乃のために動いていたり、京介がオタクに染まりつつあったり、微妙な掘り下げが面白い。解釈が難しい点としてはここ。 「黙れっ! さん…

『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』

読了。好評は聞いていてそれゆえに天邪鬼発動して読んでいなかったが、確かに面白かった! 2巻が発表されててびっくりした。シリーズだったのね。続けるとなると妹以外を攻略する他やることない気がするが。しかし、メインヒロインが攻略不能とはなんという…

白瀬修『おと×まほ』

おと×まほ (GA文庫)作者: 白瀬修,ヤス出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ発売日: 2007/05/12メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 45回この商品を含むブログ (79件) を見る id:hobo_king:20070517:1179393902がネタ振りにしか見えなかったので購入。…